相続手続きの進め方パート2
人が亡くなると、その人の財産上の権利や義務を誰がどの様に承継(引き継ぐ)するのかということが起こります。
人が亡くなったことで、財産や地位を引き継ぐことを相続と言います。
人の死は100%なので、必ず1度の相続が起こることになりますが、この相続をするには、色々な手続きが必要ですので、この手続きについて見ていきましょう!
目次
- 相続手続きは何をすれば良いのか?
- 相続財産の確定
- 相続財産に含まれない財産と権利
- 一身に専属したものとは?
- 祭祀財産
- 生命保険金請求権
- 死亡退職金の受給権
- 財産目録の作成
- マイナスの財産もある!
- 相続財産を調べる
- 財産目録を作る
相続手続きは何をすれば良いのか?
相続手続きを行うには、大きく下記のことを行う必要がああります。
★相続人の確定
★相続財産の確定 ←今回はこれ!
★遺産分割協議
★財産の名義変更
今回は上記の相続財産の確定を見ていきましょう!
相続財産の確定
民法の中に、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」
とあり、ただしとある例外を除いて一切の権利義務を引き継ぐことになりますので、この一切の権利義務にどんなものがあるかを調べることが財産の確定となります。
相続財産に含まれない財産と権利
一身に専属したものとは?
例外の一身に専属したもの(一身専属権と言います)は、本人のみが持っていた”その人のためだけの”権利で、たとえば扶養請求権や生活保護費の請求権などが当たります。
祭祀財産
祭具(位牌や仏壇仏具など)、お墓などの祖先の祭祀のための財産(祭祀財産)は相続とは別に祭祀主催者が承継することになっています。
生命保険金請求権
この生命保険金が相続財産に含まれるか、含まれないかは、生命保険の受取人が誰なのかによってかわります。
★特定の受取人を指定していた場合は、相続財産に含まれず、その指定された方の権利となります。
★被相続人自身が受取人と指定されていた場合は、相続財産として相続人で分ける事になります。
★受取人を単に相続人としていた場合は、相続財産に含まれないのですが、特定の相続人が指定されていないので結局は相続分の割合で分けることになります。
死亡退職金の受給権
死亡退職金は死亡した者の給与等に頼って生活していた遺族の生活保障のためのものなので、相続財産に含まれません。
なので、一緒にくらしていた配偶者が権利を取得すると、その分とは別に相続分を承継することになります。
注意:死亡退職金は相続財産に含まれず、生命保険金も相続財産に含まれない場合でも、相続税の対象となる場合がありますので、相続税とは分けて考えてください。
財産目録の作成
マイナスの財産もある!
不動産や預貯金などの財産を引き継ぐのはまだ良いですが、マイナスの財産を忘れてはいけません。
借金や連帯債務、保証債務などがないか注意して確認する必要があります。
もし借金などが非常に多くプラスの財産を相続しても足らないようである場合は相続の放棄も考えなければならないですし、その場合は「相続の開始があったことを知った時から3個月以内に放棄をしなければならない」と期限があるので要注意です。
また相続を単純承認するとマイナスの財産は、法定相続分で承継することになるのが原則なので、プラスの財産と分けて扱います。
相続財産を調べる
相続財産としては、不動産、預貯金、株式、投資信託等の金融商品などがあります。
不動産(土地・建物)は権利証(又は登記識別情報通知)や固定資産税の通知書などを探し、法務局で登記簿謄本(全部事項証明書)を取得し、また市役所や区役所で固定資産評価証明書を取得します。
全部事項証明書は誰でも取得できますが、固定資産評価証明書の取得は相続人である証明が必要で、戸籍謄本等で被相続人とのつながりが判るものが要ります。
預貯金は、通帳があれば銀行等に請求して残高証明や取引履歴を取得しますが、銀行によっては名義変更の際に専用の用紙を提出するように言ってくるところもありますので、同時に確認しておきましょう。
また最近はネット銀行も多くあり通帳がない場合もありますので、そのような取引先が判るように日頃から心掛けておくのが良いでしょう。
株式や投資信託等は証券会社から取引明細などが送られてきていないか確認して、あれば問い合わせしてください。
財産目録を作る
上記の財産の調査ができたら、それを一覧にして、財産目録として作成します。
これらをもとに、相続人全員で話し合い(遺産分割協議)各相続人の相続分を決めます。
上記で取得した、登記簿謄本や固定資産評価証明書などは名義変更の際にも必要となりますので、保管しておきましょう。
相続手続きの進め方パート3に続きます!